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    【ITO】春先の着こなしに役立つ、肌触り抜群の自然素材ストール

    「古い織機だからこそ表現できる、繊細な織りの世界をもっと幅広い世代に知ってもらいたいと思ったんです」

    工業化社会に生きる私たちにとって進化とは、すなわち、スピードや生産性の向上を意味します。しかし、あえて進歩を拒むことが価値を生み出す分野もあります。そのひとつが織物の世界。リニューアル第1弾となる今回は、タオルの産地として有名な愛媛県今治市で新たに織物ブランドを立ち上げた、父と娘の“スローな”ものづくりに注目しました。

    (上)昭和初期に作られた織機が整然と並ぶ工房織座。タオルの産地として有名な愛媛県今治市にある。工房内には、織機の運転音が心地よく響き渡る。(下)「もじり織り」を進化させて生まれたITOのストール。父と娘のタッグによって、伝統とデザインが見事に織り合わさった。

    (上)昭和初期に作られた織機が整然と並ぶ工房織座。タオルの産地として有名な愛媛県今治市にある。工房内には、織機の運転音が心地よく響き渡る。(下)「もじり織り」を進化させて生まれたITOのストール。父と娘のタッグによって、伝統とデザインが見事に織り合わさった。

    父が生み出した独創的な織り方を感性に響く形にするのが私の役目

    「じつをいえば、父の工房に入社したのは田舎暮らしがしたくなったからなんです(笑)」。
     人なつっこい笑顔が印象的な武田英里子さん(28歳)は、高校卒業後、東京と大阪のグラフィックデザイン会社に2年間、勤務。2007年に実家のある今治市に戻り、父が設立した『工房織座』に入社します。 「父が起業したとき、私は東京で働いていたせいもあって、正直、老後の道楽くらいにしか見ていませんでした。でも、工房に併設されたショールームで、お客さまと接しているうちに、父が作るマフラーやストールが本当によろこばれているとがわかったんです」
    『工房織座』の製品の魅力はどこにあるのか。英里子さんは、「旧式の織機でしか生み出せない、織りの美しさ、手触りのよさ」にあるといいます。
    「父が工房を作ったのは、『もじり織り』を発展させたかったからです。もじり織りは、縦糸を8の字にからませ、その間に横糸を通し、キュッキュッと糸を縛り上げる織り方です。いまではあまり見かけなくなった技法ですが、丈夫で軽く、肌触りもやわらかい。それに適度な保温性もあるので、マフラーやストールにはぴったりな織り方なんですよ」
     同工房では、昭和初期に作られた6台の織機を復元し、もじり織りの生地を織り上げています。そのせいもあって、これまでは製品の素朴さやナチュラルさばかりが注目されてきました。しかし、英里子さんは「父が生み出す織物の魅力をもっと幅広い世代に伝えるには、感性に訴えかける斬新なデザインが必要」と感じ、工房織座の旗艦ブランドを立ち上げることを決心します。
    「父から見たら、娘のわがままに映るかもしれません。でも、織物にかける思いは父と同じです。父が寝食を忘れて生み出した独創的な織りを、誰もが手に取りたくなる魅力ある製品にソフトランディングさせるのが私の役目です」
     そんな英里子さんの尽力で、2010年4月に設立された新ブランドが『ITO』です。名前の由来は、「糸」と、古語の「いと(=とても)」をかけたもの。「とても工房織座らしい、とても今治らしいものを作りたい」という父と娘子の思いが、そこには込められています。

    (上)複雑な織り模様(もじり織り)を生み出す豊田式織機は、代表の武田正利さんによって復元、改良が施されたもの。(下段左)工房織座代表の武田正利さん。古い織機を独力で復元し、「もじり織り」の研究、発展に取り組んでいる。(下段右上)織機を左右に走るシャトルの糸は、なくなるたびに手作業で取り替えられる。(下段右下)織機を動かす「プログラム」ともいうべきパンチングカード。穴の羅列によって織り方が変わる。

    (上)複雑な織り模様(もじり織り)を生み出す豊田式織機は、代表の武田正利さんによって復元、改良が施されたもの。(下段左)工房織座代表の武田正利さん。古い織機を独力で復元し、「もじり織り」の研究、発展に取り組んでいる。(下段右上)織機を左右に走るシャトルの糸は、なくなるたびに手作業で取り替えられる。(下段右下)織機を動かす「プログラム」ともいうべきパンチングカード。穴の羅列によって織り方が変わる。

    昭和初期に作られた古い織機が心地よい肌触りと個性的な柄を生む

     皆さんは、自動車メーカーのトヨタが織物機械のメーカーとして創業したことは、ご存じでしょうか。英里子さんの父、武田正利さん(59歳)は、「豊田式織機」と呼ばれる、80年以上前の古い織機を探し出し、独力で復元。さらに独自の改良を施したうえで、2005年11月に『工房織座』を設立します。
     正利さんの前職は、タオル職人。今治市のタオルメーカーに40年近く勤務し、工場長まで務めたタオル作りのプロ。そんな正利さんが定年を眼前に控えながら、独立するに至った理由は、「表現の行き詰まりを感じたため」でした。
    「いまから10年ほど前の工場長時代、タオル生地のマフラーの開発に携わりました。タオルの固定概念を打ち破る画期的な商品で大ヒットしましたが、つくり手としては、やりたいことがまだまだありました。例えば、肌触りをもっとやわらかくする、タオルの耳(生地のほつれ防止加工)をなくすといったことです。ところが皮肉にも、大量生産を前提とした現代の織機ではどれも実現できないことばかりでした」
     スピードが求められる業界の流れに逆らうような正利さんの行動は、同業者から当初、好奇の目で見られたそうですが、低速織機ならではの軽やかで風合いに富む織物は、口コミで次第に評判となり、『21世紀えひめ伝統工芸大賞』準大賞や『第3回ものづくり日本大賞』経済産業大臣賞に輝きます。
    「機械で織るといっても、古い織機で複雑な織り模様を作り出すのは大変な手間です。機械の調整だけで数日はかかるし、機械の調子も一定していません。それこそ、年老いた頑固じいさんと付き合っているような感じです。だからこそ、作られたものに人間味があるんです(笑)」(正利さん)
     スローであることが豊かな個性をもたらす・・・『ITO』のストールを身にまとうことは、せわしい現代に生きる私たちが、ゆるやかな時間を取り戻すきっかけになるかもしれません。

    構成・文/菅村大全 写真提供/工房織座

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    武田 英里子
    クリエイター
    武田 英里子たけだ・えりこ

    1982年愛媛県今治市生まれ。大阪の大学を卒業後、大阪のグラフィック制作会社へ入社。2年間営業職を勤める。2007年に地元へ戻り、創業間もない父の工房の手伝いを始める。翌年、ギフトショーに初出展。クリエイティブ・ユニット「スプレッド」の協力を得て、2010年、新ブランド『ITO』をプロデュースする。

    つくり手からのメッセージ

    織りで表現する、「よろけ」や「傾斜」や「グラデーション」。それらに独創的なカラーリングをプラスし、オリジナルブランド「ITO」を作り上げました。今治の歴史、自然、風土。そして低速の織機から生まれる、新しく斬新な織物を、ぜひ堪能してください。

    ITO

    (上)ITOのブランドマークは、撚った糸を文字で表現したもの。(右下)「コントラスト」のホワイトブラックは、シックな装いに。(左下)絹100%で織られた「フラッシュ」は、夏の日焼け、冷房対策としても役立つ。

    ブランド
    ITOイト

    織りの新しい可能性を追求する工房織座。同社の確かな技術にモード感を融合させ、2010年に愛媛県今治市で設立されたテキスタイルブランド。
    今治の歴史、自然、風土。そこから発想したカラーリング、低速織機が生み出す精巧な織り模様とソフトな風合い。自然素材の独創的なストールが、着る人のドラマを紡ぎ出す。

    今回のご紹介アイテム

    『ITO』の製品は、斬新なデザインもさることながら、織りのおもしろさを何より重視している。中でも注目したいのは、工房織座でしか作ることができない「たてよこよろけもじり織り」のストール。『ウエーブ』というシリーズ名がついた本品の特徴は、平面的な織物でありながら立体的な波模様に見えるところ。鮮やかな糸の色は、刻々と時間によって変化する、瀬戸内の海を表現したもの。『フラッシュ』は、同工房が独自に開発した「傾斜もじり織り」で織られたストール。三角の幾何学文様が透き通るように浮かび上がる幻想的なデザインが特徴だ。『コントラスト』は、「昼夜織り」で作られたストール。色鮮やかなグラデーションカラーをリバーシブルで楽しめる。素材は、『ウェーブ』が綿と絹の混紡。『フラッシュ』が絹100%、『コントラスト』が綿と麻の混紡。洗濯は手洗いかドライクリーニングで。各商品の詳細は、下の商品写真をクリックすると、ご覧いただけます。

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