インプロビゼーションで奏でられるフリージャズの何が飛び出すかわからない緊張感の中で生まれる美しさ。「意志のある無作為」

木や岩や葉や花や小石などの自然物の美しさ。
人のコントロールを超えたところにある美。
しかしそれだけでは人が使う道具としては不便すぎる。

革という素材も「動物の皮」であるうちは自然物。
それを「革」という人工物に変えることで
人が加工しやすく、扱える素材となる。

でも他の天然素材の生地よりも、色濃くその「自然物」が残っている素材。
だからこそ、扱い難く、そして面白いのが革。

ーー

「名碗を観る」という本の中には
重要文化財となるような茶碗の名器が並んでいる。

その中で自分の興味をひくものはすべて、
土の中からせり出してきたような
荒々しく粗野な茶碗たち。
著者もそれを「無作為」と評していたりする。

そう自分が目指すべきデザインの目標は
「意志のある無作為」

あまり焼き物には詳しくないのでわからないが、
焼き物の製造工程での、釜の中で焼いて
「出てくるまで仕上がりがわからない」感じが良いなぁと思う。
もちろんそこに徹底的にこだわれば、
精細に焼き上がりはコントロールできるかもしれない。

それもひとつの手法だろうけど、
今自分が求めているのは
「コントロールすることを放棄すること」をコントロールすること。

禅の思想である「無我の境地」へ到達するための意志。
みたいなものか。

ーー

ノーノーイエスでも、『所作』の等伯シリーズや、
http://nonoyes.thebase.in/items/250941
ウェアのパティーナ加工でそのようなトライアルはしてきている。
http://nonoyes.thebase.in/items/318376
でもまだまだ「あざとさ」が残っているのだ。
ヴィンテージ風にすることやダメージ加工とは違う、
「意志のある無作為」が感じられる美しさへ。
まだ鍛錬が必要なようだ。

インプロビゼーションで奏でられるフリージャズのように。
何が飛び出すかわからない緊張感の中で生まれる美しさ。

「意志のある無作為」

「No」の先にある「Yes」を探しに。

No, →  No, → Yes!

Facebook コメント)
Twitter
comments

レザーの新しい可能性を追求し続けるノーノーイエスが造る『所作』のデザイン・ノート

河村 真
つくり手
河村 真
かわむら まこと
プロフィール
日本レザーアワード2009グランプリを受賞し、パリのルーブル装飾美術館でも展示されたことのあるレザーブランド『ノーノーイエス』のデザイナー。レザーのテーラリングを研究し、レザーの新しい可能性を追求し続ける『ノーノーイエス』。世界7カ国以上に販売されているレザーウェアをはじめとしてバッグや財布なども展開。レザーアイテムをオーダーメイドできるファクトリー・ショップも東京で運営中。
関連商品